『それはないんじゃない?~サナシマ妄想☆迷子に出会うの巻~』 (
TQSS)
迷子事件からの妄想。(笑)
警察のお兄さんが優しくてトキメイてサナシマにダブったんじゃー!(笑)
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ピクリと何かに反応して真田は歩みを止めた。
「隊長?」
嶋本もつられるようにして立ち止まり真田の顔を仰ぎ見た。
今日は久々の非番の日。
二人で外で昼飯を食べて買い物にでも、と休日の予定を決めたのは朝起きてからの事だ。
ウキウキで出掛ける嶋本の足取りは軽い。
真田はいつもと変わらぬ態度だが、表情がいつもより少し柔らかい気がする。
(隊長も機嫌ええし、天気もええし。今日はええ日や♪)
嶋本の心は更に踊った。
そうして出掛けた先で他愛ない話をしながら並んで歩いている途中だったのだ。
真田が急に足を止めたのは。
「どうかし、た・・・。」
名前を呼んでも反応がない真田に、再度声をかけようとして嶋本もそれに気付いた。
「・・・泣き声??」
「こっちだ。」
そう言うと足を返して早足で声がする方へ向かう真田に、慌ててついて行った。
段々と声が大きくなっていく。
目指す先に小さな女の子。
「どうかしたのか?」
真田は走り寄りすぐにしゃがんで声をかけた。
一瞬泣き声がやんで、こちらを見た大きな目から大粒の涙がポトンと落ちる。
「迷子か?親はどうした?」
詰め寄るように聞いてくる真田に少し尻込みしながらも女の子は首を左右に振った。
「名前は?」
また顔が歪んできて眼に涙が溢れてくる。
声もなくポタポタ涙を溢し首を振り続ける女の子の肩を真田はガシッと掴んだ。
「泣いていては分からないぞ。まず名前を・・・」
「っふえ・・・っっ」
真田の勢いに押されたのか、小さくなって今にも声を出して泣き出しそうな女の子がヒョイと浮かんだ。
「あきませんよ隊長。そんな言い方したら。」
視線をあげると、女の子を腕に抱いた嶋本。
「なぁ。おじちゃん怖かったなぁ。」
「おじちゃん・・・」
真田はその単語にひっかかりを感じ、きょとんとした女の子と顔を見合わせて笑う嶋本を見上げて呟いた。
「あっちでお兄ちゃんと遊んでよか。隊長、警察に電話お願いします。」
「・・・」
俺がおじちゃんならお前だっておじちゃんなんじゃないか、と思いはしたが、女の子の自分に対する態度と今の嶋本に対する態度を見て口を紡ぐ。
「今日はおかん・・・ママと来たんか?」
嶋本の問いに、目に泣いた名残があるまま口に指を加えてコクンと頷く女の子を複雑な気持ちで見ながら1、1、0と携帯を押した。
「ありがとうございました。ほらちゃんとお礼言って。」
警察が来るとしばらくして、女の子は母親と無事に再会する事が出来た。
「ありがとぉごじゃいまちたぁ」
母親に促されるままに、ペコリと頭を下げてお礼を言われる。
「もう迷子んなるんやないで」
かがんで女の子の頭を撫でながら嶋本が返すと、「うんっ」と大きな声を出して女の子は笑顔で大きく頷いた。
なんとも仲良くなったものだ。
警察が来るまでの間に、嶋本は随分女の子と打ち解けていた。
嶋本は子供の扱いも上手くて真田はいつもながら感心してしまう。
「ばいばいー!おじちゃん、おにぃちゃん!」
「おーほななー!」
お辞儀しながら去っていく母親に手を引かれてこちらに手を振りながら女の子は去って行った。
嶋本は同じように手を振り返して見送っている。
「おじちゃん・・・」
すっかり忘れていた。
同じく手を振ろうとして、真田のその顔はまた苦虫を踏み潰したようになった。
「おじちゃんはないと思う。」
嶋本がうーんと腕を伸ばし、「良かったっすねー。はぁー、にしても腹減ったー!」なんて軽い口調で言うと、小さくボソッとそんなセリフが聞こえてきた。
「はい?」
「なんでお前がお兄ちゃんで、俺がおじちゃんなんだ」
なんやそんな事でウジウジしとんのか。
嶋本は、はぁーと大きく息をはき、
「三十路すぎたら立派なおじちゃんですやん」
「じゃあお前もおじちゃんだ」
「俺は三十路でも童顔やから、ギリギリお兄ちゃん。隊長は三十路で更に老け顔、紛れもないおじちゃん」 「・・・」
附に落ちない表情で真田は押し黙った。
(隊長でも、そんなんでショック受けたりするんや)
なんだかちょっぴり落ち込んだような雰囲気の真田に、かわいいと嶋本はこっそり心で思いながら話題を変える。
「さっきの子、可愛えかったすねぇ。子供ってやっぱりええなぁ。」
真田の顔がフイとこちらを向いた。
「・・・欲しいのか?」
何も考えずただ思った事を口にしただけなのに、予期せぬ言葉が返ってきて思わず真田の顔を見返す。
「え・・・?そりゃー・・・子供好きやし、欲しくないって言うたら嘘になりますけど・・・」
一瞬真田の顔が強ばったように感じた。
その意味を考えるとなんだか嬉しくなって、
「でも、俺には隊長がおるからそれでええねん」
嶋本は満面の笑みで本音を口にする。
固かった表情がビックリしたものに変わって、それからつられるようにして真田も嬉しそうに笑った。
元々の予定をこなす為再び歩き出しながら、ふと思い付いた事を口にする。
「それとも、今夜は頑張ってみますか?頑張っとれば、神さんの気紛れで1人くらい出来るかもやで」
嶋本はニヤリと笑いながらそう言うと、真田も笑って嶋本の耳元に囁いた。
「それはいい提案だ」
顔を見合わせて、また二人で笑い合った。
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嶋は真田って言う大きな子供の面倒だけで手いっぱいよね!
て言うか、おじちゃんて呼ばれてショック受ける真田さんが書きたかっただけ。(笑)
マッキーと、「おじちゃんおじちゃん♪」となぜか盛り上がりました。(笑)
女の子の「バイバイ、おじちゃん」はあきらちゃんからのネタです♪
ありがとう!あきらちゃん!!(*´▽`*)ノ
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